11月18日~2021年2月26日

キャプション
Special 2019.11.20 UP

【INTER BEE IGNITION】14,000超がライブストリーミングでINTER BEE IGNITIONへ参加。『映像の外側で、すべてがメディア化する時代のアクティビスト達』はどのようなインパクトをInter BEE 2019に残したのか?

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文責:HEART CATCH西村真里子

 Inter BEEはすごい。政府高官から放送業界や製造業の重鎮が登壇し、大企業は大きなブースを構え放送関連技術の最新を紹介する。もちろん、大企業だけではなく小さくても他社にはない技術を持っている企業も商談を積極的に行っている。
ただ、4年間関わっていて感じていたのはその「重厚さ」故の閉塞感。コンテンツの消費者は生産者でもある時代に、Inter BEEには閉じた印象がある。

 今年はその閉塞感に挑戦する企画をINTER BEE IGNITIONでは行った。

技術より生活への影響深度を考える

[1] まずはアドバイザリーメンバー。テレビ以外のメディア(ウェブ、イベント、本、美術館)で活躍している20代〜30代前半までの勢いある数名を召喚(Baundbow塚田有那、CINRA杉浦太一、他)。

 INTER BEE IGNITIONを作り上げるために半年かけて打ち合わせを進めていくのだが、IGNITION立上げメンバーである江口晴二、安藤嘉康と新メンバーとのディスカッションで出てきたのは「技術の進化・民主化により、技術そのものをフォーカスする話よりもその使われ方や、人間生活そのものへの影響深度を考えるべきではないか?」という視点である。

 国内・海外カンファレンス、技術からファッション、カルチャー、アートまでを幅広く見ている私の立場からしても納得のいく、これまでのInter BEEに関する閉塞感を打破できそうな議論が進んでいく。

・フェイクニュース、フィルターバブルなどメディアの情報を信じられないZ世代を中心とした層が出てきている中、倫理観を伝える議論にすべきではないか?
・データを中心とした時代。中国・深センではパーソナルデータにより決済から都市の風景まで変わり、ハーバードよりも難易度高いミネルヴァ大学などはパーソナルデータをもとに教育が進んでいく。
・ハードスキルよりソフトスキル。アート思考を含めたロジカル思考。ダークエイジだからこそのポジティブ・コンピューティング、デジタルウェルビーイング。
・常時接続が可能になり、ライブやフェスが盛り上がる時代”WeMode”の時代を考える。

 データ活用が当たり前になり、5Gで常時大量データ接続が可能な時代に向けて、上記視点を絡めてINTER BEE IGNITONのテーマが教育・都市へと絞られていく。最終的には都市の昼の姿と夜の姿を分けて考えるべくナイトライフと、移動を中心としたセッションへと細分化されていく。

 Inter BEEでこれらテーマを扱う際にわかりやすく伝える全体タイトルにも非常に悩んだのだが、新しいことを行う際には、少し刺激的なタイトルで進める方が分かりやすいとの結論になり『拡張するメディアは映像に留まらない』という全体テーマが決まった。そこから派生して基調講演では『映像の外側で、すべてがメディア化する時代のアクティビスト達』というテーマに定まった。

 「有名な監督や著名な企業を呼ぼう」という外部ブランドに頼らずに、議論を重ねていった結果テーマを見つけ出し、そこから相応しい方々をお呼びするという進行であった。

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DOMMUNEのライブ配信をInter BEEで

 さて、ここからが実際にご登壇いただく方々のアサインである。

[2] 登壇者を呼ぶ際に注力したのが「アクティビスト」であるかどうか。実際に行動をしている人を呼ぶということである。指示を出すだけで制作実際は他人に任せる人ではなく、汗をかきながら自分たちで動く人たちを呼ぶことに注力した。

 その中でも特筆すべきは塚田有那がキュレーションしたDOMMUNEのライブ配信をInter BEEで行うという企画である。日本初(と言って差し支えないだろう)のライブ配信メディアで、すでに10周年を迎えるDOMMUNEが実はInter BEE初参戦という事実に私は驚いてしまったのだが、もう一つびっくりしたのがInter BEEに長く関わっている方々はDOMMUNEを知らなかったという事実である(情報の断絶は小学生のYouTuber視聴だけを語っている場合ではなかったのだ)。

 DOMMUNEの配信効果はインパクトが大きかった。初日11月13日のINTER BEE IGNITION ふたつのセッションをライブ配信したところ、14,000ビューアー超えの視聴を稼げたのである。

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 INTER BEE IGNITIONは若い世代、今までInter BEEに興味関心がなかった方々へもInter BEEに興味を持ってもらうこともミッションの一つであったので、そのミッションをクリアできたのではないかと考える。Twitterでも好感触な意見が散見された。

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動き続けるためのヒントを提供しつづける

 最後に、INTER BEE IGNITION基調講演にご登壇いただいた新しく「iU」という全員起業を目指す大学を立ち上げた中村伊知哉先生の言葉を引用して終わる。最後の「やり続けなくちゃ。」という言葉がとても強く印象に残る。そう、我々は安定できる場所はすでになく常に活動し、新しいことを挑戦し続けなければならないのだ。来年以降も技術進化が当たり前だからこそ我々が貪欲に学び、そして動き続けるためのヒントをINTER BEE IGNITIONは提供していければと考えている。

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